- 結婚相談所の廃業率は?
- 廃業しないために何をすべき?
- 今から開業すると倒産リスクがある?
こういった疑問に答えます。
結婚相談所は、連盟に加盟した時点で加盟金が数十万円から200万円以上かかり、そのお金は1円も返ってきません。回収できないまま撤退すれば、加盟金と準備に費やした時間の両方を失います。

本記事では、公的データ4つで廃業率の実態を確認したうえで、倒産リスクを上げるNG行為と、実際に倒産・撤退した結婚相談所まで解説します。
結婚相談所の廃業率を高めるNG行為TOP5
廃業に追い込まれる結婚相談所には、共通する行動があります。270社以上の集客支援で見えてきたNGパターンを、ワースト形式で紹介します。どれも、知っていれば防げるものばかりです。
第5位:「忙しい」を言い訳にする
「本業が忙しい」「今月は仕方なかった」という言葉が出はじめたら危険信号です。
作業時間を減らすから成果が出ず、成果が出ないからさらにやる気が下がる。この悪循環に入った結婚相談所は、そのまま静かに廃業していきます。
必要な作業時間の目安は、月商100万円なら平日3時間・休日8時間、月商30万円なら平日2時間・休日5時間です。
会社員として働きながら2人の子どもを育てている40代の女性は、朝5時に起きて出勤前の時間だけを集客にあてました。1年で会員数は10名を超え、月商30万円に届いています。
副業でも成功する方は、副業「感覚」ではやっていません。
第4位:連盟や先輩のアドバイスを鵜呑みにする
連盟の勉強会にフル参加し、先輩カウンセラーの助言どおりに1年間集客した方がいました。結果は、問い合わせが年2件。入会は知人の1人だけで、開業から1年2ヶ月で廃業しています。
努力が足りなかったのではありません。教わった集客が、誰でも知っている一般論だっただけです。ライバルも同じ内容を教わっている以上、勉強会では差はつきません。
開業した時点で、あなたは経営者です。マーケティングの知見は、YouTubeや書籍を使って自分で身につける必要があります。
ただし、何も学ばないまま進める自己流は、さらに危険です。
第3位:集客効果の薄いことにお金を使う
よくあるのが、開業直後に広告を始めてしまうケースです。
広告そのものは悪い手段ではありません。ただし、広告はマーケティング中級者以上に向いた手段です。初心者が最初に手を出すと、費用だけが減っていきます。
開業直後は、悪質な業者にも狙われます。契約前に「結婚相談所の支援実績は何社ですか」と聞くだけで、大半は見抜けます。
第2位:値下げで自分の首を絞める
集客に自信がないと、料金を下げたくなります。
ところが、安さで集めた会員は、サポートの価値を評価せず、要求だけが高くなる傾向があります。
お見合いで12連敗した会員から、深夜に「お前の教え方が悪い、金を返せ」というLINEが届いた結婚相談所もあります。こうした対応が続けば、心が折れて廃業を考えることになります。
目指すべき方向は、値下げではなく値上げです。コンセプト設計で価値を高め、情報発信でファンを作れば、単価を上げても選ばれます。
第1位:加盟金でお金を使い切る
廃業へ最も直結するのが、開業資金の配分ミスです。
総予算約80万円で開業した方は、加盟金でほぼ使い切り、毎月の出費に耐えられなくなって約1年で廃業しました。加盟した時点では、まだ1円も売上が立っていません。
初年度の総予算は、最低150万円、できれば250万円を用意してください。IBJは加盟金が高いため、最低250万円、できれば300万円が目安になります。
ランニングコストは高くありませんが、単発で費用が発生する場面はあります。ホームページを含めた集客分の予算を、必ず残しておいてください。

結婚相談所を廃業に追い込む、悪徳業者5選
ホームページを公開した直後から、営業電話と営業メールが殺到します。高野のもとに届いた悪質な契約の被害相談は20件以上あり、最高額は約200万円でした。
引っかかるのは、不注意だからではありません。行政処分や逮捕者が出る規模で起きている問題です。開業直後に狙われやすい5つの類型を紹介します。
集客コンサル会社
優良なコンサルタントも実在します。問題は、結婚相談所業界に精通していないコンサルタントが、一般論を高額で売っていることです。
料金の安いコンサルに依頼していた初心者カウンセラーを3名知っていますが、助言の中身は「ページにキーワードをたくさん入れましょう」「お問い合わせボタンを設置しましょう」でした。キーワードの詰め込みは10年以上前に通用しなくなった手法です。
この分野では国も動いています。2024年には200万円の教材を電話勧誘で売っていた会社に3ヶ月の業務停止命令が出ました。翌2025年にも別の会社が6ヶ月の業務停止命令を受けています。
見抜き方はひとつで、「結婚相談所の支援実績は何社ですか」と聞くことです。他業界の実績がいくらあっても、この業界のノウハウがなければ成果は出ません。
SNS系の高額スクール
スクールに入っても、SNSで集客できるようにはなりません。スクール出身で成功した方がいたとしても、その方はもともとセンスがあり、入らなくても成功していたはずです。
2025年12月、SNS運用のオンラインスクールを売る会社が特定商取引法違反で行政処分を受けました。処分資料には「SNS学ぶだけで集客困ること、マジでなくなりますよ」「このZoom内限定の価格で、55万円まで落しますよ」という勧誘が記録されています。
契約させられたのは、週1回のアルバイトで月収5万円ほどの18歳の学生で、総額は約77万円でした。
刑事事件にもなっています。2026年6月には、大阪府警が詐欺の疑いで41人を一斉逮捕しました。被害総額は約6億5,000万円とみられています。
SEO・MEO会社
被害相談の最高額である約200万円は、このタイプでした。「1位を保証します」のような分かりやすい詐欺トークはほとんど使われません。多いのは、ほぼ確実に効果が出ない手法を高額で売る手口です。
実例があります。開業直後に電話営業に乗ってしまい、4年間解約できないSEO契約を結んだ方は、総額100万円以上を支払いました。AIでワンクリックで記事が作れるツール、という触れ込みでした。
ところが出てくるのは低品質な記事だけで、サイト全体のSEO評価をむしろ下げてしまいました。お問い合わせには1件もつながっていません。
電話やメールで営業してくる業者に丸投げして集客に成功した結婚相談所を、これまで1社も見たことがありません。
サブスク型のホームページ制作会社
格安でホームページを作れる代わりに、月額費用がずっと続く契約です。セールストークは「初期費用0円、月々3万円だけでプロのホームページが持てます」で決まっています。
総額を計算すると、実態が見えます。月3万円の5年縛りなら、総額は180万円です。最初に180万円と提示されれば誰も契約しませんが、月額に分解されると金銭感覚が麻痺します。
しかも途中解約はできず、辞めるなら残額を一括請求されます。さらに悪質なケースでは、ドメイン(ホームページのURL)が業者名義になっており、解約するとURLごと、積み上げたSEOの評価まで失う契約になっています。
実際に聞いた話では、初期費用の安さで契約した結婚相談所が3年間で50万円以上を支払い、解約時にドメインを引き継ぐため追加で10万円以上を請求されました。
2022年には、大阪のホームページ制作会社の代表ら5人が詐欺の疑いで逮捕されています。1件1万円ほどの導入費用を100万円超と偽って補助金を申請した疑いです。
ホームページは、月額に分割せず買い切りで発注し、ドメインも自分名義で持つのが安全です。高野のホームページ制作も、月額費用は発生しません。
AI系の高額スクール
いま最も勢いよく増えているのが、この類型です。
先ほど紹介した行政処分を受けたSNSスクールですが、その会社が売っていた商品の正式名称は「SNS運用およびAIを活用したビジネス」のスクールでした。SNSとAIは、同じ業者が同じ手口で売っています。看板が変わっただけです。
あの勧誘には続きがあります。月収5万円ほどの18歳の学生に対し、営業担当者はこう言いました。「消費者金融とかで普通にお金借りて、分割で割って払っていく、という方が多くて」。払えないと分かっている相手に、借金を勧めているわけです。
2025年12月に消費者庁が公表した事案では、業者が「その作業は、今どきAIがやります。だから、これだけでは稼げません」と言って高額なコンサル契約へ誘導していました。AIは商品ですらなく、誘い文句に使われています。
AIにできるのは効率化と作業の一部の自動化までです。集客そのものの自動化は、ほぼ不可能だと考えてください。
結婚相談所の廃業率は約3%
業界全体の正確な廃業率は公表されていませんが、大手連盟が公表する継続率データから推計すると約3%〜17.2%です。
ただし、数字を見る前に言葉の違いを押さえてください。3つを混同すると、実態を大きく読み違えます。
- 廃業(事業そのものをやめること。個人事業なら廃業届を出す)
- 倒産(資金が尽き、破産などの法的整理に至ること)
- 休眠(籍は残っているが、実質的に営業していない状態。統計では「継続」に数えられます)
以下で紹介する連盟の数字は、退会率をもとにした事業継続率であり、厳密な廃業率ではありません。この前提を踏まえて、4つのデータを順に見ていきます。
| データ | 対象 | 数値 |
|---|---|---|
| 中小企業白書 | 個人事業主全般 | 3年後62.4%(2006年版) |
| 帝国データバンク | 結婚相談所(法人含む) | 2023年:倒産・休廃業22件 |
| IBJ | IBJ加盟店 | 約3% |
| TMS | TMS加盟店 | 7%〜17.2% |
データ①:中小企業白書
結婚相談所の廃業率を扱う記事の多くが、「個人事業主は3年で62.4%が廃業する」という中小企業白書の数字を引用しています。
この62.4%は2006年版の白書に載った数字で、20年前のものです。飲食店のように毎月の家賃と仕入れが発生する業種を多く含むため、結婚相談所の実態を示す根拠にもなりません。
参考値として知っておく程度にとどめ、判断には次の3つのデータを使ってください。
データ②:帝国データバンク
帝国データバンクが2024年2月に公表した調査では、2023年の結婚相談所の倒産は11件、休廃業・解散は11件で、合計22件と過去最多を記録しました。
推移を見ると、増加のペースがはっきり分かります。
| 年 | 倒産 | 休廃業・解散 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2021年 | 1件 | 9件 | 10件 |
| 2022年 | 4件 | 10件 | 14件 |
| 2023年 | 11件 | 11件 | 22件 |
倒産が2桁になったのは2023年が初めてです。2年で件数が2倍以上に増えています。
帝国データバンクは背景として、マッチングアプリの定着、イベント告知などの広告費の負担、基本サービスで差別化しにくいこと、入会金や登録料の値下げ競争を挙げています。
なお、この22件は法人を含む数字です。個人事業として開業した結婚相談所の多くは、この統計には現れません。
データ③:IBJ加盟店の廃業率
- 事業継続率:97%
- 廃業率:約3%
業界最大手のIBJが公式に公表している数字です。一見すると、驚くほど生き残りやすいビジネスに見えます。
ただし、この3%には注意が必要です。分母は2021年から2023年に新規開業した2,722社で、そのうちIBJを退会した84社の割合です。つまり「廃業した割合」ではなく「連盟をやめた割合」になります。
さらに、IBJのIR資料を突き合わせると別の事実が見えてきます。同じ期間の新規開業は2,722社ですが、加盟店ネットワーク全体の増加は1,484社にとどまっており、1,238社ぶんの差があります。
この差をそのまま廃業と断定することはできません。旧加盟店の退会や集計方法の違いを含むためです。ただし少なくとも、「新規加盟が多いから既存店はほとんど辞めていない」という単純な市場ではないことは読み取れます。
なお、IBJの新規開業は2025年に874件で、前年の964件から約1割減りました。加盟店の総数は増え続けていますが、新しく始める人は減り始めています。
IBJへ加盟したあとに何でつまずくのかは、IBJフランチャイズ開業で失敗する原因TOP10で詳しく解説しています。
データ④:TMS加盟店の廃業率
- 事業継続率:93%(休止を含む)
- 事業継続率:82.8%(休止を除外)
業界大手TMS(全国結婚相談事業者連盟)の公式データです。2018年4月から2021年6月の新規開業128社を対象にしています。
注目してほしいのは、休止を含めるかどうかで10ポイント以上も差が開く点です。連盟に籍を置いたまま活動を止めている結婚相談所が、それだけ存在するということになります。
連盟が公表する「継続」と、一般的な経営統計でいう「営業中」は同じ意味ではありません。この差が、次の章のテーマにつながります。
結婚相談所の「廃業率3%」のカラクリとは?
4つのデータから言えるのは、結婚相談所は「廃業しにくい」のではなく「廃業届を出す必要に迫られにくい」ということです。
飲食店や小売業は、毎月の家賃と仕入れが発生します。赤字が続けば資金が尽き、強制的に市場から退場させられます。
一方、結婚相談所は自宅のパソコン1台で開業でき、在庫も店舗も不要です。ランニングコストは連盟へ払う月1〜3万円ほどしかありません。
つまり、会員がゼロで売上もゼロの状態でも、本業の収入から月数万円を払い続けていれば、統計上は「継続している結婚相談所」として数えられます。
実際の売上分布を見ると、その二極化がはっきり分かります。
| 月商 | 割合 | 分布 |
|---|---|---|
| 100万円〜 | 1% | |
| 50万円〜 | 10% | |
| 20万円〜 | 20% | |
| 5万円〜 | 44% | |
| 0円 | 25% |
売上ゼロの結婚相談所が、全体の約4分の1あります。本業として成立しているのは上位10%ほどです。高野の肌感にもとづく推計であり、売上を保証するものではありません。
倒産する結婚相談所は確かに少数です。ただし「倒産していない」ことと「稼げている」ことは、まったく別の話になります。
直近5年で倒産・撤退した結婚相談所一覧
直近5年で実際に起きた倒産・撤退を時系列で整理しました。大手やブランド力のある事業者でも、市場から退出しています。
| 時期 | 事業者・サービス | 内容 |
|---|---|---|
| 2021年11月 | エン婚活エージェント | タメニーがエン・ジャパンへ株式を譲渡 |
| 2023年2月 | Pairsエンゲージ | オンライン結婚相談サービスを終了 |
| 2023年11月 | NOZZE | 結婚相談所事業と商標をアイ&リンクへ移管 |
| 2023年12月 | 株式会社結婚情報センター | 旧NOZZE運営会社が破産 |
| 2024年10月 | 良縁ネット | TMSへの統合に伴い全サービス終了 |
| 2026年3月 | ゼクシィ縁結び | リクルートがマッチングサービスを終了 |
| 2026年5月 | Blanc | 事業を停止し、破産申請を弁護士に一任 |
| 2026年6月 | ゼクシィ縁結びエージェント | リクルートが結婚相談所サービスを終了 |
最も影響が大きいのが、リクルートの撤退です。2025年11月に「ゼクシィ縁結び」と「ゼクシィ縁結びエージェント」の終了を発表しました。結婚相談所であるエージェントは、発表と同じ日に新規受付を終了しています。理由は「事業環境の変化やサービスの利用状況などを総合的に判断した」と公表されています。
背景にあるのは、市場の二極化です。月額数千円で自由に活動できるマッチングアプリと、専任カウンセラーが伴走する連盟型の結婚相談所に分かれるなかで、その中間に位置するサービスが居場所を失いました。
もうひとつ注目してほしいのが、2026年5月に事業停止したBlancです。IBJの加盟店で、IBJ AWARDの受賞歴もありました。それでも破綻を防げていません。連盟に加盟していることと、その結婚相談所の経営が安定していることは、まったく別の話だと分かる事例です。
なお、NOZZEは旧運営会社が破産しましたが、ブランド自体はアイ&リンクへ移管され、現在も運営が続いています。オーネット、パートナーエージェント、ツヴァイ、サンマリエは、この5年間でサービスを終了した事実はありません。

結婚相談所の廃業を避けるなら、コンセプト設計が最重要
廃業を避ける最短ルートは、コンセプト設計です。「誰の、どんな悩みを、どう解決するのか」が決まらないと、商圏も集客施策も料金も決められません。
作り方は3段階です。
- ターゲット特有の悩みを書き出す
- その悩みを解決するサポート内容を、どこで・誰と・何回やるかまで具体化する
- キャッチーな名前を付けてパッケージ化する(例:シンママ応援プログラム)
ターゲットは「30代女性向け」のような属性ではなく、どんな悩みを持っている人かで絞ると、サポート内容から選ばれる理由まで一直線につながります。
実例があります。連盟の勉強会にフル参加し、先輩カウンセラーの助言どおりに1年間集客した方は、問い合わせが年2件、入会は知人1人だけで、開業1年2ヶ月で廃業されました。努力不足ではなく、教わった集客が誰でも知っている一般論だっただけです。

いま、コンセプト設計の考え方や、あなたの商圏で何から始めるべきかを高野に直接相談できる無料の「ぷちコンサル」を実施中です。
